年末調整って何!? ~年末調整の実務について

年末調整とは所得税の精算のこと

会計事務所の繁忙期は年末~3月。この時期に入ると、空気がピリピリし始めます。(と言っても、私はまだ2度目ですが)
なぜ忙しいかと言うと、

1.年末調整
2.確定申告

の時期だからです。
ただ、年末調整とか確定申告って、言葉自体はよく聞くけど、元々会社勤めで自分は何もしていなかったので、いまいち「?」でした。

なので、去年実務を始めたときも 「どうしよう…繁忙期って言うけど所得税とってないから実際何をするのかよくわからない…」と怯えていました。
事務所で導入していたMyKomon(会計事務所向けの管理ポータルサイト)の動画を見たり、よく本屋にあるような実務本を読みましたが、細かすぎてますます
混乱。
一応、国税庁のHPにやり方の冊子が載っていますが(事務所にいるとお客さんから申告書もろとも送られてきます)、112ページもあります。実務でも、改正点以外読んでいる人はまずいません。
http://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm#a002
なので、この記事では、細かいところは省略し、初心者向けに大雑把にまとめたいと思います。

年末調整とは

年末調整(皆「年調」と呼んでます)とは、毎月のお給料から差引かれている源泉所得税(会社が毎月国に納付しています)について、1年分まとめて正確な金額を算出し、過不足分を12月分or1月分の給料で調整することです。

要は
前払いしていた所得税を年度末に精算
することです。

大体、生命保険や住宅ローンがあったり、配偶者や扶養者がいると、所得から控除されるので(普段の給与支払い時は考慮されていない)、税金は今までの源泉の累計額より安くなり還付という流れになります。

年末調整の大まかな流れ

①書類を作成、送付(11月下旬~)
②書類&給与データ回収(12月中旬くらいまで)
③データ入力
④源泉徴収票と年末調整の結果一覧、預かった書類を返却

① 書類を作成、送付

・〇扶、〇保、〇配の3点セットを従業員の人数分作成し送る
 (先ほどの国税庁リンクに書式あり。会計ソフトで、去年のデータ(名前、住所など)が入ったものを出力することもできるので、去年年調したお客さんなら
そちらがベター)
 
 大体、報酬は2万円くらいでした。5人とか10人とか、ある一定の人数までは基本料金の金額が適用され、超えた人数に関しては1名当たり1500円というように計算することが多いようです。 年末調整は、必ず会計事務所がするものでもなく、お客さんの方でやってしまうパターンも。

②書類&給与データ回収

回収は早いほうが良いのですが、小売業等、各店舗から本部に送って本部でまとめて会計事務所に…というような流れだとどうしても遅くなりがち。

回収各書類の内容は、こんな感じです。印鑑押すところもありますが、シャチハタでもいいそうです。
添付書類は、
その年に転職→前職の源泉徴収票
保険や社保を払っている→控除証明書(送られてくる)
住宅ローンあり→控除証明書 (送られてくる)
ですが、前職の源泉徴収票は漏れがちです。

■〇扶(「マルフ」と読みます)
 住所氏名マイナンバー、配偶者、扶養者の状況を記入(翌年分の状況を申告)

■〇保
 生命保険、地震保険、健康保険、年金など所得から控除できる支払があれば記入。保険会社から送られてくる「保険料控除証明書」を添付して、支払った額を確認。
※一般にも新と旧の区分があり、保険の種類も一般、介護、年金とある。それぞれMAX4~5万ずつ、所得から控除できる

■〇配
 配偶者控除が、配偶者の所得によって細かく分かれるようになったので、ここに自分&配偶者の所得の状況を記入
自分の所得(900万と950万に分かれ目あり)と、配偶者の所得(~85万までと、85~123万までなど、細かく区分あり)の組み合わせで、配偶者控除の金額が違う。
去年から改正されたが、事務所の人曰く「欠陥だらけ」の制度。そもそも、記入する額も「収入」でなく「所得(収入-経費)」な時点で、正確に書ける人が激減するし、11月時点でその年の正確な収入を把握している人がどれだけいるかも疑問…。
ただ、ここに奥さんの所得としてあまり低い金額を書くと、後で(3年後とか)税務署から指摘されたりするらしい…。

以上を送り返してもらい、後日12月分の給与のデータももらうという流れが一般的。

③データ入力

給与の調整を
12月支給分で調整 か、
1月支給分で調整 
するかによってスケジュール感は変わりますが、とりあえずもらったらすぐ会計ソフトの年末調整ソフトに入力します。
特に保険は、種類が色々あり正しい欄に書けていない人もいるので本人記載を鵜呑みにせず入力。
また、その年に入社した人・退社した人は、
・入退社日
・前職の源泉徴収票
を確認します。

④源泉徴収票と年末調整の結果一覧、預かった書類を返却

12月支給の給与まで入力が終わったら、ソフトが調整額を計算してくれます。
解説書を読むと、この計算の部分も細かく書かれていて長くなっているのですが実際は計算はしません。
(具体的には、その年の収入から経費(給与所得控除など)を引いて課税所得を出し、各所得に応じて税率のテーブルから拾った税率をかけて税額を出し、住宅ローンの税額控除があれば差し引くという流れです)

ここまでできたら、お客さんに従業員毎の調整額が一覧になったものをソフトから出力して渡し、調整月の給与の支給額から加減してもらいます。
あとは、従業員一人一人の源泉徴収票と、預かった書類を返却して終わりです。

何が大変なの?

年末調整で大変なのは、
・書類を渡してから調整後の給与支給までのスケジュールが短いと1か月くらいしかなくてタイトなこと

だと思います。
経理の人がチェックしてくれていたら良いですが、そういうケースばかりではないので、前職の源泉徴収票など書類に過不足があった場合追加でもらったりしないといけません。
書類をそろえる方も慣れていないとなかなかスムーズにいかないなという感じです。

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